質問したら不機嫌に?!医師との上手な付き合い方

病気と向き合うには、医師をはじめとする医療スタッフとの関係が重要です。

特に主治医は、診断や治療方針を決める上で中心的な存在となるため、信頼関係やコミュニケーションの構築が欠かせません。

ただし相性もあるので、医師との付き合い方に悩むこともあるでしょう。

よりか先生

医師も人間ですからね。

この記事では、医師との関係に悩みが生まれる理由と、より良い関係づくりのヒントについて解説します。

目次

医師が不機嫌になる理由

主治医さんと話していて、いろいろ質問していくうちに、

「あれ?なんだかだんだんぶっきらぼうになってきた?」

「もしかして先生怒ってる…?」

と不安に思った経験がありませんか?

残念ながら患者さんからの質問に対して怒ったり、不機嫌な態度を取ったりする医師が存在するのは事実です。

患者に伝えても意味がないと判断している
忙しくて説明の時間が取れない
疑問を受けること自体にストレスを感じている

といったように考えてしまうのです。

医師という職業は、本来であればメンタルケアやコミュニケーション力のトレーニングが不可欠なはずですが、医学部のカリキュラムにはそうした教育がほとんど組み込まれていません。

つまり、知識は豊富でも感情の扱い方が未熟な医師も一定数存在するということです。

ただ私は、これに加えて「自分が深くわかっていない部分を聞かれて上手く説明できない」こともあるのではないかと思っています。

わからなければわからないと言えればいいのですが、医師の多くは、厳しい受験競争を勝ち抜いてきた過去から「わかりません」がうまく言えないのです。

わからない」と認めることが、自分の価値を否定することのように感じてしまうのかもしれません。

よりか先生

プライドが高いとも言うかな…

医師が怒るのは患者のためでもある?

ただ私は、医師に質問して怒られることが患者さんにとって必ずしも悪いことだとは思いません。

人は、相手が明らかに怒り始めたとき、それ以上深入りしないよう本能的にブレーキをかけるものです。

それが、患者さんの利益につながることもあるのです。

よりか先生

どういうこと?と思われてますよね

それを説明するために、ここで私が体験したある出来事を聞いてください。

ある日のこと。私は小児科の隣の薬局で、処方薬が出てくるのを待っていました。

すると、隣から薬剤師さんと若いお母さんの会話が聞こえてきました。

お母さんは妊娠中で、上のお子さんが水痘(水ぼうそう)にかかってしまったとのこと。

お腹の赤ちゃんへの影響を心配していて、「自分にも感染するのでは」と不安そうに相談していました。

ところが、その薬剤師さんはこう答えました。

水ぼうそうはそんなに感染しないから大丈夫ですよ!

お母さんは「でも先生には感染しやすいから注意してって言われたんですけど…」と戸惑いながらも重ねて尋ねました。

しかし薬剤師さんは、さらにこう続けたのです。

「大丈夫です、空気感染じゃないですし!」

「!?!」あまりの衝撃に私は思わずそちらをガン見してしまいました。

水痘(水ぼうそう)は空気感染する代表的な病気です。

それを知らないのか、そもそも空気感染と飛沫感染の違いを分かっての発言だろうか?」と疑問だらけですが、その薬剤師さんは言い切ってしまわれていました。

こんな風に間違ったことを自信満々に言われると、患者さんにとって不利益になります。

医師には「不確かなことを安易に断言してはいけない」という危機意識はあります。

わからない」と素直に口に出すのは簡単ではないかもしれませんが、誤った情報を与えてはいけないという意識は、基本的にきちんと持っているのです。

だから、医師が患者さんの質問に対して怒り出した時は「おっと、それ以上突っ込んでくると危ないよ」というような規制線を張っているサインだと受け取ってもいいかもしれません。

もし質問に対して不機嫌になったら、こう考えてください。

「なるほど、これは触れられたくないテーマなんだな」

「たぶん、はっきりした答えを持っていないのかもしれない」

ちなみに私の場合、もし調べてもわからなければ

よりか先生

ごめん、それは分からへん!

と素直に言います。

医師に限らず、誰でも知らないことはあります。

大切なのは、間違った情報を自信満々で伝えないこと。そして、分からないことをごまかさないこと。

そんな姿勢が、患者さんとの信頼関係につながっていくと信じています。

よりか先生

質問をいただければブログ内でお答えしますので、何かあれば気軽にお聞きくださいね。

まとめ

医師との付き合いで大切なのは、完璧を求めすぎないことです。

医師も人間であり、すべてを知っているわけではありません。

もし不機嫌な反応が返ってきたときは、「知らないこともあるのだな」と受け流すくらいの気持ちでかまいません。

別の医師に相談する、自分で調べてみる、相談窓口を活用するなど、他の手段を検討してみてください。

よりか先生
病理医
病理医として、日々たくさんの「命」と向き合っています。このブログでは、乳がんやがん検診のこと、そしていのちの大切さについて、わかりやすくお伝えしていきます。
医師として、そして子育て中の母として、読者の方が少しでも安心できるような情報をお届けしています。
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