「先生、最近ずっと下痢が続いてるんですけど、これって大丈夫ですかね?」
30代男性からこのような相談を受けることが、少なくありません。
「1日に何回くらい?」と聞くと「4回とか5回とか…」
「血は混じってない?」と聞くと「混じってないです」
「何年か前に病院に行ったんですけど、カメラやって何もないって言われて。」
「うーん、過敏性腸症候群かなぁ」
よりか先生みたいな感じで終わったんですよね。
このとき、私が必ず聞くのが「まさか市販の胃薬とか鎮痛薬、飲んでないよね?」という質問です。
なぜかというと、鎮痛薬などの薬が原因で起きる大腸炎の中には、内視鏡では正常に見えても顕微鏡で見て初めて診断がつくものがあるからです。
今回は病理医として、「見逃されやすい大腸炎」についてお話しします。
目次
治らない下痢=過敏性腸症候群?
治らない下痢は、過敏性腸症候群で片付けられがちです。
典型的なパターンはこうです。
- 1日4〜5回の水様性下痢が続いている。
- 血便はない。
- 腹痛はあったりなかったり。
- 数ヶ月〜数年続いている。
- 病院で大腸内視鏡検査を受けた。
- 「異常なし」と言われた。
- 「過敏性腸症候群かもしれませんね」で終了。



心当たりのある人もいると思います。
過敏性腸症候群(IBS)は、ストレスや生活習慣が関与する機能性疾患です。
検査で異常が見つからないときの「消去法的診断」として使われることが多く、実際にIBSの患者さんも多いです。
そのため、内視鏡で異常がなければ「IBSでしょう」となりがち。



でも、本当に検査で異常がなかったのでしょうか?
内視鏡では見えない大腸炎Microscopic colitis(顕微鏡的大腸炎)
大腸の検査といえば、多くの方が内視鏡検査を思い浮かべるでしょう。
しかし実は、内視鏡では異常を見つけられない大腸炎が存在します。
それが「Microscopic colitis(顕微鏡的大腸炎)」です。






