この前、夜にホテルのバイキングに行ったんです。
目の前にずらっと並ぶ美味しそうな料理たち。
せっかくだから、と思ってたらふく食べてしまいました。
よりか先生そして、大後悔…
胃がパンパンで、ちょっと気持ち悪くなってしまったんです。
次の日の朝も、なんだか胃が重い。
一方、中学生の子供は、私よりも食べたはずなのに、けろっとして朝から納豆ごはんをかきこんでいる。
そうだった。歳を忘れちゃいけない。
私も昔はどんなに食べても胃もたれなんて一切なかったのに。



同じような経験がある人いますよね。
さて、今回の記事では、なぜ歳を取ると消化が悪くなるのか、病理学的に見ていきましょう。
加齢による胃粘膜の変化
40代以降、胃の内視鏡をすると「萎縮性胃炎」や「腸上皮化生」という言葉が報告書に書かれることが増えます。
萎縮性胃炎とは、胃酸を出す細胞がへたれてしまった状態。
腸上皮化生とは、胃なのに本来は腸にあるような「吸収する細胞」に置き換わってしまった状態です。



顕微鏡で見ると、こういう変化がはっきり見えます。
原因は胃酸が減っているから?
…実は、それがわからないんです。
顕微鏡で見て細胞が変わっていることはわかります。
でも、その人の胃酸が実際にどれくらい減っているかは、測ってみないとわからない。



病理診断は細胞の変化を見ることはできても、機能までは見えないんです。
でも、理論的には胃酸を出す細胞が減っていれば、胃酸も減っているはず。
胃酸が減れば、タンパク質の分解が不十分になる。
消化しきれなかった食べ物が腸に送られれば、お腹の調子に影響するかもしれない。



可能性としては十分あり得ます。
皮膚と同じことが胃腸でも起こっている
40代・50代になると、皮膚にしわやシミができたり、傷の治りが遅くなったりしますよね。



同じようなことが胃腸でも起こっていると思ってください。
細胞の生まれ変わりが遅くなり、細胞分裂の際のミステイクが起こりやすくなり、ポリープができやすくなる。
20代や30代に比べて、40代・50代の胃腸は、確実に変化しています。
わからないことだらけですが、確実なのは「若い頃より消化能力は落ちている」ということです。
日常的に意識したいこと
よく噛んで食べる
よく噛んで食事をしましょう。
目安は年齢+10回。40代なら一口50回、50代なら60回です。
「そんなに?」と思うかもしれませんが、胃酸が減っているなら口でしっかり噛んで細かくすることが大切です。
食べ過ぎない
食べ過ぎないことです。
中学生の子供と張り合っちゃダメなんです、残念ながら(笑)
特に夕食は腹八分目に抑えましょう。
これ、本当に大事。
早食いしない
早食いもやめましょう。
ゆっくり食べることで、満腹感も得やすくなります。
胃の変化は小腸や大腸にも影響する?
胃酸が減ると本来胃で殺菌されるはずの細菌が小腸に入りやすくなる、という理論があります。
それが「SIBO(小腸内細菌増殖症)」という概念です。
ただ、これについては診断基準自体が曖昧で、本当に細菌が増えているのかどうかも、実はよくわかっていません。



病理医として解剖症例をたくさん見てきましたが、小腸に細菌がびっしりなんて所見、見たことがないんです。
だから、わからないことはわからないと正直に言います。
でも、理論的には胃酸減少→小腸に菌が入りやすい→それがお腹の不調につながる
こういう可能性があるということを頭の片隅に置いておく程度でいいと思います。
まとめ
ここまで、消化力についてお伝えしてきました。
加齢とともに消化力が落ちるのは避けられません。
だからこそ、日常の食べ方を意識することが大切です。
そういえば最近、すごくいい胃薬が病院に行かなくても買えるようになりました。
それが「PPI(プロトンポンプ阻害薬)」です。
ただし、この薬にはある落とし穴があるんですよね。



続きは有料記事で詳しくお話しします。







